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なぜスピッツの「紫の夜を越えて」はすごい曲なのか~スピッツ歌詞解釈~

  • 2021年4月23日
  • 読了時間: 7分

更新日:11 時間前




「紫の夜を越えて」

新曲です。みなさんは、もう聴きましたか?

ニュース23を毎日見ている人は、2021年の春からエンディングテーマとなっているので、たぶん何十回と聴いていると思います。スピッツ好きな人も、もう何十回と聴きこんでいることでしょう。

少しの明るい未来が描けるような、前向きな曲ですよね。暗い世の中を照らしてくれるような、明るいほうに導いてくれるような、そんなメロディと歌詞です。

この曲に慰められた方も多いのではないのでしょうか。


今回も、歌詞解釈をやりました。

いつもやるやり方ですが、歌詞解釈を行う時は、まずマサムネさんの詞をなぞります。そうして呼吸をあわせていきます。

こう、論理的に説明をしていくのは難しいのですが、自分でこの詞を書いてみることで、どことなく思考が見えてくる、ような気がするのです。

それこそ、ただ聴いているのではわからない情報が、書くことによって明らかになってくるのです。

マサムネさんだけでなく、なにかお気に入りの小説家などがいましたら、まずその人の文章を書いてみるといいと思います。なんとなく、「ああ、こういうことを書きたかったんだな」ということが、わかってきます。そりゃあ、勘違いかもしれないですけど、でも、まったくわからない状態から、勘違いでもいいから見当がつくということが、大事なのかなと思います。まあ、でも確証があるものでもないので、「これが彼が言いたかったことなのだ! そうに違いない!」と言い切ることは、もちろんできません。

あくまでも、自分はこう感じた、こう思った、という程度です。あってるかもしれないし、違っているかもしれません。


というわけで、歌詞をなぞってみました。はたして、この詞にはどんな意味が込められているのでしょう…?

私が感じたのは、マサムネさんらしい、やさしさと、繊細さでした。




君が話してた美しい惑星は

この頃僕もイメージできるのさ

本当にあるのかも

昔、君は「美しい惑星」、つまり、明るい未来とか希望とかが存在すると考えていて、僕はそうじゃないと思っていました。でも今は、僕のほうが、美しい惑星って存在するんじゃないかと思うようになっています。

一方で、君はというと、もうイメージできなくなっているほどに疲れ切っている状態であることが伺えます。君はもう、美しい惑星、つまり希望なんてない、と考えています。もし、まだ希望があると考えているなら、「君が話している美しい惑星」となるわけですから。美しい惑星があると考えていたのは、もう過去の話なのです。

僕も、本当は未だにそんな惑星ないと思っているけれど、君を元気づけようとして、そう話しているのかもしれません。



いつも寂しがり時に消えたがり

画面の向こうの快楽匂いのない正義

その先に

いつも寂しがり時に消えたがり、というのは、美しい惑星を信じたばかりに行動し、その結果、疲れ果ててしまった君の現在の姿です。なにもいいことがなく、報われず、現在に絶望しています。寂しがり、まではわかりますが、消えたがり、というのは相当ですね。相当やばい状態です。

「画面の向こうの快楽匂いのない正義」とは、メディアか、SNSのことでしょう。もしメディアのことだとしたら、ニュース番組のエンディングテーマにしてはすごい皮肉ですね。

とにかく、物理的な負担に加えて、心理的な負担が、画面の向こう側からやってくることが伺えます。快楽のようなふりをして、正義のようなふりをして、君を追い詰めてきます。



紫の夜を越えていこう

いくつもの光の粒

僕らも小さなひとつずつ

これは、悩んだんですけど、たぶん、何かの比喩とかではなく、読んで字のごとくなんだと思います。

いくつもの光の粒というのは、ビルとかマンションの窓の光のことを指しています。その一室にいる僕らは、全体の光の粒のひとつなんだということです。

紫の夜というのは、希望でも絶望でもない、ただの夜のことです。この一晩を、ただ越えようとだけ、何もせずに時間経過だけしよう、とだけ、言っているのです。



なぐさめで崩れるほどのギリギリをくぐりぬけて

一緒にいて欲しい ありがちで特別な夜

なぐさめで崩れるほどのギリギリ、とは、君の精神状態のことです。崩れる、とは何を指すかはわかりませんが、相当深刻な状態だと思います。それだけはギリギリ思いとどまって欲しいと、僕は願っています。そして、一緒にいて欲しいと。

僕が願ったのは、君に立ち直って欲しいとか、前を向いて欲しいとか、元気になって欲しいとか、そういう何かを要求することではなく、ただ一緒にいて欲しい、とだけ願っています。

ありがちで特別な夜というのは、この夜は二人にとって特別な夜になりました、とか安易なものではなく、どんな夜も特別な夜に感じるほど、毎日が辛くてたまらんというヘビーな状態を指しています。そんな辛い夜だけど、そこをなんとか耐えて、一緒にいて欲しいと。

一緒にいて欲しいのは、あくまで僕のわがまま、という形にして。

君への優しさと、繊細さと、包容力が伺えます。



溶けた望みとか 負けの記憶とか

傷は消せないが 続いていくなら起き上がり

ここ以降は、1番の内容を補完する内容になっています。起き上がる、ということは、今は君が寝ている状態です。「溶けた望み」や「負けの記憶」により倒れている状態ですね。

歩き出せ、とか、動きだせ、という表現は、この詞全体を通じて一切出てきません。ただ、横になっている状態だけは否定します。僕は君に、君の人生が「続いていく」ことを望んでいます。続いていくなら、死んではいけません。死んでいるのと同じ状況にだけは、なってはいけません。



紫の夜を越えていこう

捨てたほうがいいと言われた

メモリーズ強く抱きしめて

捨てたほうがいいと言われたのは、僕のほうです。過去から君に言われたのでしょう。では、なぜそのメモリーズを抱きしめているのでしょう。

たぶん、このときは、君と僕の立場が逆転しているんですね。ここの表現も、君が昔は元気だったけれど、今は絶望の底にいるという示唆をしているのだと感じます。過去の絶望していた僕、そして今の絶望している君。こういう状況だからこそ、過去に立ち直らせてもらったであろうメモリーズを、強く抱きしめる必要があったんですね。



従わず得られるならば 砂の風に逆らい

再び生まれたい ありがちで特別な夜

従わず、って、何を指しているのでしょう。これは私が解釈しきれていないところなのですが、時間のことかなと思います。

1番のサビでは、もっぱら時間経過についての詞でした。ここでも時間経過のことを示唆しているのかなと。砂の風というのは、砂時計のことかなと。これに逆らうというのは、時間を遡るということです。つまり、従わず、というのは、時間に従わないということです。もし時間が戻せるなら、再び生まれて君と出会ってからのことをやり直したい、と。そして、君が壊れてしまうのを、なんとしても回避したい、と。



袖をはばたかせ あの惑星に届け

惑星に本気でたどり着こうとしているなら、袖ではなく、翼と表現するはずです。過去のマサムネさんは、「ローランダー、空へ」で、翼を生やして「飛べ!」と命令口調で叫んでいます。ここでは本気で、棕櫚の惑星まで飛ぶつもりでした。

翼ではなく、本来飛べるはずのない袖をはばたかせていることから、まともに飛ぶ気がないということが伺えます。あの惑星というのは、本来君がイメージしていた惑星であって、僕が信じているものではありません。ただ、君がこうなってしまってから、僕は信じてはいないけれど、信じたがっているものになっています。その惑星に届け、というのは、塞がりきった状況を嘆く、声にならない声なのだと思います。袖をはばたかせることで飛ぼうとしているぐらい、切羽つまった状況を表現しているように思います。



少し動くのも恐れてた日々 突き破り

突き破るために動けとは言っていません。絶望するのを辞めるだけでいいんです。

ただ、絶望を辞めるなんて、簡単なことではありません。それこそ、突き破る、というほどの強い力がいります。だから、こういう強い表現を使っています。

でも、突き破るために行動しろ、とは言っていません。ただ生きて、一緒にいてくれるだけでいいんです。一緒にいて、紫の夜を越えるだけで、絶望を突き破ることになるんです。




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