風待くだもの店~その4~

更新日:2021年6月2日




「坂谷ぃ~」


次の日の朝。岩倉さんが、登校中の少年をみつけて、声をかけてきた。


「あっ、岩倉さん、おはよう」


「ちょっと、昨日のあのメッセージ何? キモイんですけど? やめてもらえる?」


「えっ」


「『今まで自分のことばかりで、周りのことが見えてなかった気がする』とか、自分語りがうっとおしいし、『だから君のことを、もっとよく知りたくなった』とか、ストーカー宣言? アンタ、そんな人だったの? ほんと、キモイ」


「あ、いや……」


「とにかく、そんなもの送ってこないで。とくに夜はだめ。夜に送りつけるなんて、こっちの迷惑も考えてよ。送られても返信できないし」


「ああ……ごめん」


「ちゃんとわかった? もうしないでね。で、許してあげるかわりに、数学のノート見せて。コピーするし」