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スピッツ「迷子の兵隊」は、売上合戦の話だった説。



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「迷子の兵隊」について解釈していきたいと思います。

この曲は、CDの売上合戦をイメージ化した話だと思います。スピッツは自分たちのCDの売上に関しては、他の場所ではあんまり明言していません。「CDめっちゃ買って欲しいっすわ」とは、言わないのです。いや、それをいうなら、他のアーティストも同じなんですけど……。

とはいえ、CDの売り上げが生活に直結します。私は八百屋さんですが、野菜の売上が生活に直結するので、たくさん野菜を買って欲しいと思っていますし、そのために野菜を必死にアピールしています。同じようにマサムネさんもまた、「CDはいかがですか~?」と言いたいに違いありません。スピッツのイメージもあるので、やたらと連呼していないだけで。

そんな、「CDはいかがですか~?」と言いたい気持ちを曲にしたのが、この「迷子の兵隊」なんじゃないかなと、私は思ったのです。

順番に詞を眺めていきましょう。




迷子の兵隊 黒い旗振る いばらの中で

迷子の兵隊 砂金のうずを 蹴散らしながら

迷子の兵隊 サソリのような 言葉を秘めて

迷子の兵隊 闇を切り裂く 稲妻となれ

この戦場では、いろんなアーティスト軍が入り乱れて、戦闘状態になっています。となりのミスチル軍がスピッツ軍めがけて一斉射撃をしてきました。物量で押されるスピッツ軍は、防戦一方です。でもミスチル軍もまた、すぐ隣のB'z軍の一斉射撃で、めためたにされています。「B'z軍がきたぞー!」と恐慌状態になっています。スピッツ軍にとってもB'z軍は敵になるので、恐怖でしかありません。特にB'zの新作という新兵器をB'z軍が使えば、あたり一面が焼け野原になるのです。

こんな状況において、弱小勢力であるスピッツ軍としては、いちはやく有利な地形を確保したいところです。でも、どこにいけばいいのか、どうしたらCDが沢山売れるのか、あまり詳しくありません。ミスチル軍やB'z軍といった大勢力は、それなりに戦闘のやり方を習得している猛者なので、戦のやり方がうまいのです。でもスピッツ軍は、まだ駆け出しのペーペーなので、戦い方を知りません。どこに行って、どう戦えばいいのか、わからないのです「迷子の兵隊」なのです。

だからといって、この戦争に降伏してしまうわけにはいきません。どうにかして突破口を見つけて、敵を倒さなければいけないのです。

スピッツ軍の旗印である「黒い旗」を振ります。これはマサムネさん曰く「黒い翼」の続きだそうですが、たぶんこの時のスピッツのモチーフは、黒い翼だったのでしょう。なので、黒い旗がスピッツ軍のシルシなのです。これを、いばらの中という、敵が攻撃しにくい場所に陣取って、戦闘に備えています。

「砂金」とは、黒い旗との対比になっています。たぶんスピッツ軍より弱い、そのほかの勢力のことでしょう。自分たちからみたら砂金のような弱小勢力を、スピッツ軍は蹴散らしていきます。戦国の定めです。弱小勢力を生かしておいたら、お客様の財布の中から、スピッツに支払うお金が無くなってしまうではありませんか。それを阻止するためにも、ちゃんと撃退しやすい軍から撃退していきます。基本的な戦術です。

スピッツ軍の武器は「サソリのような 言葉」です。これで砂金軍を攻撃したり、ミスチル軍の攻撃に対抗したりしています。ミスチル軍の言葉もめちゃめちゃ攻撃力高いですけど、スピッツ軍もまた負けていないはずです。その鋭い刃物を、激突させているのです。「闇を切り裂く 稲妻となれ」と願いながら、この戦局を大きく変えるような戦いになることを期待しているのです。



撃ち落とせる雲に同情しては

当たりのないクジを引き続け

しがみつく鳥を探している 終わりなき旅

ここもまた、CD大戦争の光景を表している部分だと思います。スピッツ軍はまだまだ弱小とはいえ、ぽっと浮かんでは消えていくようなアーティストではありません。スピッツ軍から眺めると、雲のようにぽっと戦場に現れたアーティストは、撃ち落とされるような場所をフラフラ飛んでいるように見えるのです。「ばかめ、そんなところを飛んでいたら、撃ち落とされるぞ…!」と同情するも、スピッツ軍にはどうにもできません。次の瞬間、B'z軍が放った新曲をまともに食らって、撃ち落とされていきました。たぶん彼らのCDのリリースが、B'zの新曲と被ったとかでしょう。そういう計画性のないことをすると、せっかくの新作も撃ち落とされる憂き目にあっちゃうのです。B'zが絶好調の時にリリースした「LOVE PHANTOM」の発売に重なった弱小アーティストたちは、全員焼け野原になりました

そういう大御所たちの合間を縫って、せこく立ち回って生き残りを図るスピッツ軍。チャンスとあらばCDをリリースするも、「闇を切り裂く 稲妻となれ」ぐらいにはヒットしません。毎回そこそこどまりです。「当たりのないクジ」を引き続けているようです。

スピッツ軍にとっては、つらい持久戦です。なんとか上昇したいので「しがみつく鳥」を探しています。アーティストにとっては「終わりなき旅」つまり、こんな先の見えない戦争状態をずーっとし続けているのです。



流れるひとしずく かき消され

逃げ込むのはいつも細胞の中

内気な笑顔もはがれていく 瘦せた火の玉

ここは、負け戦を強いられているスピッツ軍の、悲惨な様子が描かれています。

スピッツ軍が一生懸命作って「これはいけるだろう!」と思った渾身の作品が、空振りしました。この強豪ひしめく戦場において、彼らの渾身の作品は「流れるひとしずく」にしかならなかったのです。そしてすぐに「かき消され」てしまいました。

「撤退だー!」と、スピッツ軍は逃げ出します。逃げ込んだのは「いつも細胞の中」だそうです。精神世界の戦争なので、それに付き合わなければ損害を被ることはありません。マサムネさんは我に返って「は~疲れた疲れた。ちょっと美味しいモノでも食べて、それから寝るわ」と戦線を離脱します。生身の細胞に自分の意識を戻すことで、戦争のことは考えないようにするのです。

戦争をやらなければ生き残ることはできないですけど、戦争につきっきりでは精神が持たないのです

とはいえ、ずーっと負け戦を続けているスピッツ軍総司令官のマサムネさんにとっては、やや精神がもたないところまで来ているようです。「内気な笑顔もはがれていく」とのことです。負けすぎて、ちょっとシャレにならないと焦っているようです。余裕のふりをして貼り付けた笑顔も、はがれかかっています。スピッツの新兵器も、「瘦せた火の玉」にしかならず、並み居る強豪を、こんなものでは倒せない、と絶望しています。




という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?

こうして解釈してみると、なかなか臨場感あふれる戦国風景だと思います。が、当時のCD戦争の苛烈さは、こんなもんじゃないぐらい、激しかったです。当時を経験したひとならわかると思いますが、1990年から2000年にかけての10年間は、ずーっと戦争状態でありました。90年代前半にはビーイング系と小室哲哉が、後半には安室奈美恵、宇多田ヒカル、モーニング娘。が出現し、大戦争を繰り広げていたのです。それらの間に挟まれたスピッツは、よくぞ生き残ったと褒められてもいいでしょう。まさに奇跡としか言いようがありません。




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