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スピッツ「ネズミの進化」からわかる、社会の理不尽な対処法



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「ネズミの進化」について解釈していきたいと思います。

この曲のタイトルは「ネズミの進化」となっております。スピッツは詞の中に動物を使う場合、その動物に対するイメージを最大限利用しています。例えば、鳥は自由、犬は従順さ、猫はかわいらしさ、などです。ではネズミから想像できるものって、いったいなんでしょう?

私たち人類は、ネズミから進化したとされています。大型の恐竜が支配していた時期にも、その身体の小ささを活かして生き残り、恐竜が絶滅するほどの気候変動も、地中深くに潜ってやり過ごしてきました。そうやって、今日まで生き残り、生物の遺伝子を運んできてくれたのは、ネズミなのです。

またネズミは、恐竜絶滅後、この地上を支配したかというと、そういうわけでもありません。なおも捕食される側にいます。鳥や蛇などは、ネズミを食べます。ネズミは彼らから逃れるために、細い道に隠れたり、すばしっこくなったりしました。

こういう、理不尽な環境でありながらも、常に生き残るためにはどうしたらいいかを模索し続けて、こんにちまで生き延びてきた生物が、ネズミなのです。

マサムネさんが動物図鑑とかを眺めていた時、ネズミの項目に感銘を受けたのが、この詞を作るきっかけだったんじゃないかなと、想像しちゃいます。「ネズミって、強いんだなぁ……」って思ったのが、そのままこの詞に現れているようです。

歌詞を順番に見ていきながら、ネズミの進化から何を学べるのか、みていきましょう。




はじめの気持ちをふりしぼり

予選で負けても立ち上がる

本音はこまごまあるけれど

ひざこぞう はらって 立ち上がる

小中高校生が挑む勝負事というのは、ある意味楽なのです。なぜなら、勝負事に公平さが保証されているからです。受験、あるいはクラブ活動の場合、勝ち負けは公平公正になっているでしょう。単純に成績がいいほうが勝ちです。単純に勝った方が勝ちです。そこには何の不正も働いていないはずです。

でも大人は違います。会社に入れば、手柄を横取りする上司、仕事を押し付けてくる同僚、サボるバイト、理不尽なクレームをつけてくる客……これらに上手に対応できなければ、そもそも勝負の土台に立つこともできません。なおかつ、どれだけキツイ仕事をしたとしても、給料に変換されるわけではないのです。辛い仕事であればあるほど給料がいいかというと、そういうわけでもないのです。会社や業種によって貰える給料が違うからです。死ぬほど働いて年収300万のひともいれば、左うちわで年収1000万のひともいます。

死ぬほど働いて年収300万のひとは、楽して稼いでいる年収1000万の人を見て、こう思うでしょう。「世の中、理不尽だ!」と。

でも、だからといって、「仕事を変わってくれや」とお願いしても、変わってくれません。ネズミは鳥にはなれないのです。本音をいえば、鳥になれればどんなに楽か、と思うけれども、現実問題として、鳥になることを夢見るのではなく、ネズミとしてどう生きていくのかを考えなければいけないということです。鳥にコテンパンに負けても、「ひざこぞう はらって 立ち上がる」のです。



言い訳するだけ悲しくて 涙しょっぱくても

いつか 目覚めたネズミになる

進化のための長い旅に出る

さらに高いところへ かけのぼるような

目覚めたネズミになる

子供の時は言い訳の余地はありませんでした。テストの点数が悪いのは、勉強をしなかったせいです。部活の試合で負けたのは、相手の方が沢山練習していたからです。原因がはっきりしているので、言い訳が通用しないのです。

でも社会人は、言い訳をし放題なのです。どれだけ頑張っても仕事の成果なんて出ませんし、なんなら他人に成果を横取りされます。「アイツが俺の手柄を取ったんだ」と訴えても、どうにもなりません。中学高校とは違って、公平に仕事ぶりを評価してくれるような、優しい会社は存在しないのです。これは、言い訳するだけ悲しくなりますよね。言い訳し放題ですが、言い訳したとしても、なんの改善にもならないのですから。なんのために仕事してるんだろ、と、理不尽にうちのめされそうになります。

でも、嘆いていてもどうにもなりません。生き延びようとしないネズミは、食べられてお終いなのです。進化を諦めたネズミは、滅ぶだけなのです。

理不尽に立ち向かうには、進化しかありません。与えられた仕事を黙って黙々とこなして、待遇に不満を並べるだけの日々をおくるのは、進化とはいえないでしょう。「さらに高いところへ かけのぼるような」何かが必要になってきます。また、「進化のための長い旅に出る」という、辛いことも乗り越えなければいけません。



じっとしていたらたたかれて

素直に進めば潰される

よく見りゃいくつも道があり

実はその先も分かれてた

「じっとしていたらたたかれて 素直に進めば潰される」とは、そのまま社会の理不尽さを表しています。従っても従わなくても、ひどい目にあうのです。

なので、常に逃げ道を探しておかなくてはいけません。よく、結婚して子供が生まれ、ローンで家を建てた途端に県外支社転勤を命ぜられ、会社のいいなりになるしか方法がない、なんて状況を見聞きしていますが、そういう逃げ道の無い袋小路に陥らないよう、周りをよく見て立ち回ることが大事なのです。

大丈夫です。ネズミでさえ恐竜時代を生き残ってこれたのですから、人生なんとかなります。「よく見りゃいくつも道があり 実はその先も分かれてた」って、後になってそう思うでしょう。道を進んだ人だけが、道があることを発見できるのです。



遅い気がしても 行けるだけ 行ってみようかな

いいよね? 小さなネズミになる

奴らにも届かない場所がある

すぐに狭い抜け穴 逃げ込めるような

小さなネズミになる

「行けるだけ 行ってみようかな」という思考は、めちゃめちゃ大事だと思います。社会人になると、とにかく動くのが億劫になります。「お前なんて、どこにいっても通用しないぞ」だなんて上司に脅されて、「そうなのかな……」と二の足を踏んでしまい、ずっと環境の悪い場所で働き続ける、なんて人、結構います。まるで鳥のエサになるために、養殖されているようなものです。鳥のエサになってたまるもんか、というのを原動力にしていきたいです。

「すぐに狭い抜け穴 逃げ込めるような 小さなネズミになる」ことが大事なのだと思います。何も大きなことにチャレンジしなくてもいいんです。小さくても、ひとりで逃げ込める場所で、細々と食べていけるような、そんな感じでいいのです。凡人には、ホリエモンのマネはできません。ネズミは、恐竜と同じ戦い方をしてはいけません。ネズミは、ネズミのやり方があるのです。



君の言葉を信じたい ステキな嘘だから

いつか 目覚めたネズミになる

進化のための長い旅に出る

さらに高いところへ かけのぼるような

目覚めたネズミになる

長い長い長い旅に出る

いつか 目覚めたネズミになる

「君の言葉を信じたい ステキな嘘だから」というのは、不思議な文ですね。普通は本当だったら信じるし、嘘だったら信じないです。でも、ステキな嘘だから信じよう、としています。これはいったい、どういうことでしょう?

たぶん君から言われたのだと思います。「アナタなら、きっとできるわ」と。ネズミの自分を、エサとして人生が終わるはずだった自分の能力を信じてくれて、君がそう言ってくれたのでしょう。

そう言われた自分としては、「そんなわけないだろう。絶対失敗するに決まっているわ」と、本音の部分では思ってるかもしれません。理不尽な会社勤めに疲れて、君の前で上司の文句をまき散らしているだけの自分。そんな自分に「進化しよう」と提案してきた君。そんなの、できるわけないじゃん、と。

でも、「君の言葉を信じたい ステキな嘘だから」という気分になっています。これは、君の嘘を、本当にしていかなければいけないでしょう。自分の手で、嘘を本当にするのです。

「長い長い長い旅に出る」ことで、「いつか 目覚めたネズミになる」のです。




という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?

この曲は、私たち凡人に対する応援歌という感じで捉えてみましたけれども、もしかするとこれは、マサムネさん自身に対する応援歌なんじゃないかな、とも思ったのです。マサムネさんは詞を書く時のスタンスって、誰かに向けて、というより、自分に向けての話をしているのです。マサムネさんは日本でも有数の大金持ちではありますけれども、このような繊細な詞が書けるとおり、私たち凡人側に近い感性を持っています。そして、凡人だと思い込んでいます。

マサムネさんもまた、進化したいと思っているネズミなんだな、と思えたら、けっこう心強いのではないのでしょうか?




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