こんにちは。八百屋テクテクです。
今回は「ただ春を待つ」について、解釈していきたいと思います。
この曲には仮タイトルがあって「環八ラバーズ」というそうです。「環八の渋滞に巻き込まれて、イライラしているカップルを想って書いた曲」なのだとか。
これはさすがに、なるほど、と思えませんね笑
渋滞でイライラしているカップルの曲なのに、どうしてこんな仕上がりになるのか。
もっと詳細な情報が欲しいところです。
なんでそんな、イライラするぐらいの渋滞が起こっているのか。設定を加えるとするなら、たぶんそれは、首都圏に大雪が降ったからです。
降雪のために速度が出せず、また事故などが発生したため、渋滞になっていたのです……と、こう考えると、どうでしょうか。「もうどうにもできないから、冬の間は車での遠出は諦めて、ただ春を待つしかないよね」という、気分になるではありませんか。
なんて、無理やり解釈してみました。あっているかどうかは、わかりません笑
遠い明日につながってる心
こらえ切れず飛び起きるほどの
一度だけで終わるかもしれぬ
網をくぐり幼な子に戻る
「遠い明日に繋がってる心」は、曲の終わりにも出てきますが、最初にでてくるものとは意味が違っています。この一番最初のこのワードは、いつまでたっても進まない渋滞に巻き込まれてる車内から、目的地に想いを馳せている様子を表しています。早くすすまないかな~、とイライラしている様子がうかがえます。
その後も、渋滞に巻き込まれたときの心境を表しています。渋滞にこらえきれずに、飛び起きるように、右左折して別のルートを行きたい気分になっています。
雪による渋滞だとしたら「この雪による渋滞は、この一度だけで終わるかもしれないね。だから今日だけガマンガマン」とイライラを慰めています。
網とは、交通網のことです。この渋滞を抜ければ、わ~いわ~いと幼子のようにはしゃいでしまうかもしれません。それまでは、大人なので、じっと我慢が必要です。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
強がりでワガママなあなたにも届いたなら
春を待っているのは、「祇園精舎の鐘の声…ただ春の夢のごとし」からはじまる平家物語のように、春というものを強烈に意識したからではありません。別に詩的な意味ではなく、たんに環八の渋滞を抜けるための「はやく雪のない、春になってくれねぇかな」ぐらいの感覚だと思います。
車内でふたりでじっと渋滞を待っているのは、「哀しくも楽しく」という具合でしょう。ひとりで渋滞は、ただただ哀しいだけですが、二人でなら、楽しいこともあるでしょう。
たぶん僕は渋滞の中「さっきからあんまり進んでないし、もう帰らない?」って提案したのだと思います。でも彼女は「ヤダ! せっかく遊びにいくのに!」って強情しているのだと思います。強がりでワガママなアナタにも、僕のそんな思いが届いたらいいなぁ、と思っています。つまり、僕の「帰ろうよ」って思いが、届いていないんですね笑
居場所求めさまよった生き物
足を踏まれビル風に流され
帰るか、進むか。渋滞の中で、居場所を求める生き物のように、僕と彼女の二人を乗せた車は、さまよっています。
足を踏まれたと表現しているのは、雪道のせいでハンドルがとられている様かのかもしれません。あるいは、タイヤがスリップしているのか。どちらにせよ、雪道と化している環八っぽいです。ビル風も、車が流されるぐらいの強いやつが吹き付けています。悪天候ですね。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
見え隠れ夢の夢
あなたにも届いたなら
「帰りたいよぅ…」っていう気持ちが、僕から「見え隠れ」しています。悪天候なので、これはもう、そうなってもしょうがないですよね。
でも、ここでも相変わらず「あなたにも届いたなら」となっています。彼女は僕の気持ちを知ってか知らずか、相変わらず「ヤダ! 帰らない!」とワガママを言ってくれています。僕は「もぅ」と呆れながらも、彼女のワガママに付き合っています。
雪溶けの上で黄色い鈴の音が
密やかに響く
「黄色い鈴」が何を表しているのか、あんまりよくわかりませんでした。
たぶんですけど、道路補修用の作業車が黄色いランプを点灯させながら、道路のなにかを補修していたのではないのでしょうか。
黄色いランプは音が出ないんですけど、悪天候の中での黄色いランプは、それこそ音が出てるんじゃないかってぐらい、眩しく響くような点滅の仕方をします。密やかに、って部分が、そうなんじゃないかなと。
渋滞中の車にとっては黄色いランプが見えた時「この作業車を抜ければ、渋滞を抜けられるんじゃないか…」と希望を持ちますよね。そんな希望を、この作業用のランプに見出したことが、この大サビの感動になっているのではないのでしょうか。
ただ春をただ春を
いつまでも待ち続けて
遠い明日につながってる心
一番最後の部分です。
渋滞に巻き込まれて嫌になって「もう降雪はこりごりだ~」って思っている部分です。その気持ちを「ただ春を、ただ春を」って高らかに表現しています。
あと、一番最後の部分の「遠い明日につながってる心」は、最初は目的地に心が繋がっていましたが、今度は、本当に遠い春に繋がっていそうです。
同じセリフなのに、違うものを指していそうなところが、すごいな、って思います。
いかがでしたでしょうか?
本タイトルの「ただ春を待つ」と、仮タイトルの「環八ラバーズ」を繋ぎ合わせることで、こんな解釈になりました。
「ただ春を待つ」だけで読み取ると、本当に春のことを想っている、雅な世界観が浮かんできたと思います。でも、渋滞でイライラ、という動機が加わることで、こういう、ユニークな解釈になりました。
いやぁ、スピッツって、本当に面白いですね。こんな出来事さえも、曲にしてしまえるのですから。
みなさまも、雪道の渋滞に巻き込まれた時には、「ただ春を待つ」の登場人物である、車内でわちゃわちゃケンカしている二人を思い浮かべながら、ニッコリしてみてはいかがでしょうか?
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