風待くだもの店~その7~

更新日:2021年6月23日



それから数日たっても、少年のもとには、世界史のノートが戻らなかった。

連絡手段がなかった。

岩倉さんの携帯電話は、たぶん、取り上げられてしまっている。

家族が管理しているか、ヘタすれば警察が管理しているんだろう。

とにかく、メッセージを送っても電話をかけても、なんの反応もなかった。


このままノートが戻ってこなかったら、誰かに見せてもらうしかない。

見せてもらったとしても、今までの授業分を写すには、どれだけ時間がかかるのだろう。……


暗澹たる気持ちを抱えたまま、下校する。

駅前のシャッター街を歩いていると、アーケードの柱に寄りかかって、ぼーっと空を眺めている、私服姿の女の子を見かけた。