
こんにちは。八百屋テクテクです。
今回はスピッツ「鳥になって」について解釈していきたいと思います。
この詞における「僕」は、マサムネさんの作った曲だと思います。曲を、擬人化した詞なのだと思います。
何言ってるかよくわからない、ですって?
まあ、別に擬人化うんぬんは、私の想像なので、理解してもらうことはそんなに重要じゃないかもしれません。あんまり気にしなくてもいいです。あくまでも感覚です感覚。スピッツの曲を聴いてもらうことで、「鳥になって~」って大空に飛んで行ってもらいたいと考えているし、はたまた「モグラになって~」と逃げこんできて欲しい、と考えている。そんな主張をしたいんじゃないかなと思います。
どういうことなのか。歌詞を眺めていきましょう。
今 鳥になって 鳥になって
君は鳥になって
鳥になって 鳥になって
僕を連れて行って
僕を連れて行って
ああ いつまで
君の身体にしがみついたまま
きっと明日は僕らは空になる
こんなこともあるだろう
このまま僕はしゃべり続けてる
日々のストレスで鬱屈していた彼女は、ある日、スピッツのCDだけが売っているという、不思議なお店に入った。
そこで「鳥になって」というタイトルのCDに魅かれて手に取った。するとCDはみるみる変化して、マサムネさんの姿かたちをした小人へと変化した。
「お姉さんは、自由になりたいんだね」
と小人に見透かされた彼女は、そのまま身体を委ねることに。小人が歌い始めると、彼女の身体は瞬く間に鳥に変化した。思いのままに翼をはためかせると、身体がふわりと浮いて、どんどん上昇していく。大きく見えていた街がどんどん小さくなっていく。
私の住んでいた場所って、小さかったんだな……と思うと、悩みも小さくなっていくような感じがした。
「どうですか。ここからだと、地上のものが小さく見えるでしょう。いっそこのまま、大きな空になりませんか」
と、小人は鳥になった彼女にしがみついたまま、歌うような声で誘った。飛行するのが楽しくて、いつまでも、力の限り飛んでいたいと彼女は思った。このまま小人を連れて、どこまでも飛んでいきたい。太陽が昇って落ちて、また昇るまで。そして空になりたい。
彼女の隣では、小人が「鳥になって」を、ずっと歌っていたのでした。
こんな僕にだって 僕にだって
誇れるものがある
モグラになって モグラになって
僕にしのびこんで
ここにしのびこんで
ああ 覚悟ができないままで
僕は生きている
黒いヘドロの団子の上に棲む
笑い話じゃないね
このまま僕は喋りつづけてる
またある時、悲しい気持ちに陥っていた彼女は、再びスピッツのCDだけが売っているという、不思議なお店に入った。
そこで次に選んだのは、「モグラになって」という曲だった。CDはみるみる変化して、今度は汚い土くれになった。
土くれは彼女に言った。「どうぞモグラになって、ここにしのびこんで。傷ついた心を癒やすには、ぴったりだよ」と。
言われた通り、モグラになって土の中に入ってみると、確かに暖かくて、暗さに安心感があった。そのままじっとしていると、荒れた心が癒えていくような、心地良さを感じた。
「土は」と、土くれは歌うようにしゃべりかけてくる。「土はどこにでもあるし、汚いものだけど、でもモグラのおうちになることができるんだ。ダイヤモンドや宝石は貴重だけど、モグラのおうちにはなれない。土にとっては、モグラのおうちになれることが、誇れることなんだ」
鳥になった際は、小人になって一緒にいてくれて、モグラになった時は、自分を守る土になってくれる。それがスピッツの曲なんだね、と彼女は土くれに感謝のつもりで言ってみたけれど、土くれは、意外にも少し悲しそうだった。
「でも僕は、本当はダイヤモンドになりたい。そうなったら、誰もが僕のことを見てくれるから。でも、ダイヤモンドになる覚悟ができないまま、僕は黒いヘドロの団子の上に生きているんだ。こうして君だけをあたためるのが、精一杯」
「アナタが、ダイヤモンド?」彼女が、ドロドロの土くれを眺めて、笑った。「なれると、いいね」
「笑い話じゃないよ。その証拠に、君には、もっといろんな曲を聴かせてあげるよ。君は鳥になったり、モグラになったりしたけれど、これからもいろんな曲を作るから、君をもっといろんなものにしてあげるよ。その傍らで、僕がいつかダイヤモンドになっている曲だって、きっと出てくるだろう」
っていう話が、この曲には隠されているのだと、私は思っています。
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