スピッツ「猫ちぐら」は、親戚のオジサン目線説。~スピッツ歌詞解釈~



こんにちは。八百屋テクテクです。

本日は、スピッツ「猫ちぐら」について解釈していこうと思います。

この曲は、寂しげな曲調に加えて、特別な背景があっただけに、恋人との別れを想像している人が多いように思います。

特別な背景とは、コロナ蔓延です。この曲が発表されたのは、世界のすべてが停止していた時期だったのです。スピッツもまた、ライブツアーを中止にせざるを得なくなりました。

そんな、世界が暗い雰囲気に包まれた中での、この曲の発表。まるで世相を反映しているかのような、ゆっくりで寂しげな曲調。やっぱりこの曲は、別れのような、寂しい想いが込められた曲だったのでしょうか?


私の解釈では、違っています。

この曲は、子供の成長を喜ぶ親戚のオジサン目線の曲じゃないかなと思うんです。



意地悪少し笑顔は多めに

汚れちまいそうな白いシャツ着て

アリの行列またいで歩き

不器用に丸いにぎり飯たべて

流れに任せ似た景色上書きしてきた

この部分はもっぱら、幼い子供を表しています。

「汚れちまいそうな白いシャツ着て」の部分なんですけど、普通は白いシャツを着ていたとしても、汚れなど気にしないでしょう。大人はたいてい、汚れないように振舞うからです。汚れるかどうかが気になるのは、カレーうどんを食べた時ぐらいです。それ以外で汚れを気にするとしたら、白いシャツを着ているのがまだ幼い子供だからです。

「アリの行列またいで歩」いているのも、「不器用に丸いにぎり飯たべ」たりするのも、これが幼い子供を表している表現なのだということがわかります。

そして、その子供の様子を微笑ましく眺めているのは、親戚のオジサン的ポジションの、あまり頻繁に会いに来ないような人間でしょう。お父さんの仲の良い同級生とか、そういう感じかもしれません。このオジサンがマサムネさんだったら、他のメンバーの子供のことを指しているのかもしれません。マサムネさん以外のメンバーは全員既婚です。田村さんやテツヤさん、タツオさんのお子さんが現在おいくつなのかはわかりませんけれども、ご自身の子供をマサムネさんに紹介した場面って、必ずあったと思うんです。そういう微笑ましい場面を思い浮かべて、この曲を作ったんじゃないかなと。



作りたかった君と小さな

猫ちぐらみたいな部屋を

斜め方向の道がまさか

待ち構えていようとは

この子供たちを見て、オジサンは、何をしたかったのでしょう? 「猫ちぐらみたいな部屋を作りたかった」と言っています。

この部分は「君」を恋人だとして見ていると、「君と暮らすための部屋を借りる」という解釈になるでしょう。でも、相手は親戚の子供です。さらに、この曲のタイトルは「猫ちぐら」です。猫ちぐらであることが大事なんですよ、と暗に言っていると解釈ができます。ということを踏まえると、ここは本当に、あの猫の住み家であり、オモチャでもある、猫ちぐらを作りたかった、と言っているのだと思います。

ところが、オジサンに予想だにしないことが起きます。「斜め方向の道が待ち構えていようとは」と言っていますが、これは何でしょう? 歌詞に沿って考えてみると、しばらく会わないうちに子供が急成長していて、もう猫ちぐらを一緒に作って喜ぶような年齢ではなくなっていた、ということなのではないのでしょうか。

月日は早いものです。生まれた頃は「似た景色上書きしてる」程度のものだったのでしょう。オニギリが上手に食べられない状態から、オニギリが上手に食べられるようになった、等、何か一つずつできるようになるたびに、お父さんから「ねえねえ聞いてよ、うちの子さぁ」とイチイチ報告され、また自分でもその成長を眺めて、赤ちゃんの頃の記憶を上書きしていっていたのでしょう。

それが、いつしかお父さんからの報告が途切れ途切れになり、お互い忙しく日々を過ごしているうち、すっかり月日が流れてしまった。再び会った子供は成長し、もう中学生とかになっていたのではないのでしょうか? 

そんな子供に対して、久しぶりに会ったマサムネオジサンは、

「オジサンさ~、お土産に、猫ちぐら作成キット買ってきたんだ。これで猫ちぐら作ろうよ」

って誘ったのだと思います。それに対して子供は、

「やだ。これから友達とオンラインゲームで遊ぶから。ねえねえオジサン、Wi-Fi繋いでよ」

なんてやりとりをしたのでしょう。マサムネオジサンは、ガーンとなったに違いありません。オニギリも上手に食べられないと思っていた子供が、いきなりWi-Fiとか言い出したら、そりゃあ驚きますよね。



驚いたけどさよならじゃない

望み叶うパラレルな世界へ

明日はちょこっと違う景色描き加えていこう

ここでの「サヨナラ」は、子供との別れではなく、いらなくなった猫ちぐら作成キットの処遇についてのことなんじゃないかなと。

ここは、子供が友達とオンラインゲームをピコピコやっているのを横目に、マサムネさんがひとりで猫ちぐらをモクモクと作成している場面じゃないかなと。サヨナラじゃない、ということは、ちゃんと猫ちぐらを作ったんだと思います。子供と、猫ちぐらをワイワイ言いながら作っている、「パラレルな世界」を想像しながら。

なおかつ、「ちょこっと違う景色描き加えていこう」とあります。子供の成長が自分の想像を超えていたので、今度会う時は、ちゃんと子供の成長に合わせたものにしよう、と思っています。猫ちぐらがダメなら、アンパンマンやプリキュアグッズでは、当然ダメでしょう。次はガンダムのプラモか、ちいかわグッズにでもするべきだと思います。



弱いのか強いのかどうだろう?

寝る前にまとめて泣いてる

心弾ませる良いメロディー

追い続けるために

ここは、マサムネさん自身の話なのかなと。「子供はたくましく成長していたけれど、自分はどうだろう……?」と自問自答している場面だと思います。成長著しい子供と対面すると、どうしても自分と比べてしまうんですよね。

マサムネさんは、こう結論付けます。「寝る前にまとめて泣いてるぐらい弱いけど、心弾ませる良いメロディーを追い続けるためには、こういう繊細なメンタルを保ち続けることが重要だから。弱いのか強いのかわからないけれども」と。



続いた雨も小降りになってた

お日様の位置もなんとなくわかる

寂しいけれどさよならじゃない

望み叶うパラレルな世界へ

願わくは優しい景色描き加えていこう

この「猫ちぐら」の曲を通して、マサムネさんは、何を言いたかったのでしょう?

たぶん、「僕達はしばらく会わない間に、いろいろ変わってしまった。猫ちぐらのオモチャみたいな優しげな歌を考えていたけれど、子供が猫ちぐらを必要としないように、世の中のトレンドも変わってしまった。だから、スピッツとしては、新しい、優しい曲を描き加え続けていくから」ということを言いたいんじゃないかなと。

「続いた雨」とは、コロナ禍の世の中ともとらえることができるし、それが小降りになっていったことも、今では実感できます。お日様の位置、つまり、活気あふれるライブ開催までの道筋も、視界に入ってきている頃なのではないのでしょうか。

「望み叶うパラレルな世界へ」は、先ほどの部分では、子供と遊ぶマサムネさんという世界でしたが、今回のは、ライブ開催ができる世界のことです。未だパラレルかもしれませんが、いずれはそんな世界も来ます。そう言っています。



という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?

この解釈をすることで「猫ちぐら」という曲を通じて、マサムネさんからのメッセージを受け取ることができたように思います。

子供は成長しますが、大人も成長します。マサムネさんだって成長していることが、歌詞解釈ですんごいわかります。私の解釈では、「猫ちぐら」のような曲は、世間の成長のスピードにそぐわないから、とマサムネさんは言っていますが、時代遅れでもいいからそういうのを含めて、聴いてみたいファンも多いでしょう。でも、マサムネさんの気持ちが、それを許してくれないのです。時代遅れの曲、あるいは、時代遅れのメッセージが込められた曲をを発表するのは、中学生にアンパンマングッズをドヤ顔で贈る親戚のオジサンと似ていて、恥ずかしい行為なのだと思います。第一、子供が喜んでくれないでしょう。マサムネオジサンは、子供が、もとい、ファンが本当に喜ぶようなプレゼントを、用意したいと思っているのです。

これからどんな曲を出してくれるのか、私たちに、どんなメッセージを伝えてくれるのか、楽しみでなりませんね。



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