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スピッツ「涙」は、星のことだった説。



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「涙」について解釈していきたいと思います。

この詞における「涙」は、悲しい時に流れる涙という意味もあると思うんですけど、同時に星のことを「涙」に例えているというふうにも、解釈できるんじゃないかなと思うんです。

後年、スピッツは「涙がキラリ☆」という曲を発表しましたが、「涙がキラリ☆」においての「涙」とは、彦星と織姫のことだと私は解釈しています。この詞もまた同じように、七夕についての曲、もっといえば「女神」たる織姫についての曲なんじゃないかなと、思っています。

順番に詞を眺めていきましょう。




君のまつ毛で揺れてる水晶の粒

本当は一人ぼっち

壁に描いた緑色のドアをあけて

広がる 時の海

ここでの「君」は、織姫のことです。織姫は、夏の大三角のひとつ、ベガのことです。夜空のお星さまになる前の彼女、文字通り、生地を織る女性でした。彼女が彦星と出会い、結ばれたのですが、一緒になったことでイチャイチャしすぎて全く仕事をしなくなってしまったそうです。織姫が仕事をしないことで着物が無くなったので、下界の人間たちが困り果てて、神様に苦情をいいました。この事態を重く見た神様が、織姫と彦星を離れ離れの星にしました。嘆く二人に神様は、「1年に1回、7月7日だけは会ってもよい」と温情をくだしました。なので7月7日は、彦星と織姫が合う、たった一回の機会なのです。

さて、この詞のはじまりは、「君のまつ毛で揺れてる水晶の粒」となっています。織姫にとって、悲しいことがあったわけです。

水晶の粒とは涙のことだとわかりますが、ここでは涙と直接表現していません。理由は、後半の「涙」が星のことを表しているので、ここで涙を使ってしまうと、ごっちゃになるからです。なので、本当の涙は水晶の粒と表現し、星を涙と表現したのです。

織姫にとって、涙が出るほど悲しいこととは何か。それは彦星と会えないことですね。つまり今年の7月7日は、雨模様だったのです。

織姫は仕事を終えると、自分の部屋にある緑色のドアを開けて「広がる 時の海」を眺めました。そこには広大な宇宙が広がっています。この宇宙は、現代の私たちが観測できる宇宙ではなく、長い時間を生きている織姫視点の、とてもとても長い、時間の海なのです。空間も時間も超越した、とても広い時の海なのです。



だけど君はもう気づきはじめるだろう

変わりゆく景色に

月のライトが涙でとびちる夜に

「今年は彦星に会えない…」と嘆いていた織姫でしたが、でも「変わりゆく景色」に気づきはじめます。「月のライト」が出ているとのことです。

厚い雲が地球を覆っているうちは、月のライトが見えません。この雲が消え去ったことで、月のライトが地上を照らし始めたのです。同時に「涙でとびちる夜」となりました。月と、幾千もの星が、涙で飛び散ったかのように夜空に現れたのです。その星々の中には、彦星のアルタイルもあったでしょう。彦星と織姫はこの日、邂逅したのです。



選ばれて君は女神になる

誰にも悟られず

ここは、「女神」=「織姫」ということを補強するような内容になっています。織姫はもともと、生地を織っていた数多くの仙女のうちの一人でした。ところが何の因果か、夜空に輝く星に、彼女は選ばれたのです。彼女は幾億年、幾兆年もの間、ほとんどを一人ぼっちで過ごすことになりました。でもこの事実を、地上に住む人々のほとんどが、気にも留めていません。この物語の悲しさに気づかず、過ごしているのです。



そして君はすぐ歩きはじめるだろう

放たれた魂で

月のライトが涙でとびちる夜に

夜空を覆う雲が去って、彦星と織姫が現れました。空が晴れたことに気が付いた君は、まつ毛で揺れてる水晶の粒をぬぐって、「すぐ歩きはじめる」のです。彦星がいるところに向かって。

この先の「涙でとびちる夜」とは、織姫のうれし涙のことだと思います。織姫のこぼした涙が、月のライトに照らされて、夜空にいっぱいに広がっているのです。




という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?

私はこの曲めっちゃ好きです。が、マサムネさん的には、どうなのでしょう。「涙」にて、彦星と織姫の物語を描いたつもりでしたが、あまりうまくいかなかった、という想いがあるのかもしれません。なので後年、「涙がキラリ☆」という、同じテーマでリメイクをした、という経緯があったのかもしれません。何より「涙」では、幻想的な雰囲気を醸し出そうとするあまり、悲しみの要素が強く出てしまっています。彦星と織姫が出会う場面なのに、悲しみの色に引きずられすぎているんじゃないか、と、そう感じているのかもしれません。その後悔が、「涙がキラリ☆」にて昇華されている、と。こういう見方もできるんじゃないでしょうか。




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