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スピッツ「流れ星」は、インスピレーション説。



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「流れ星」について解釈していきたいと思います。

この曲は、マサムネさんが作詞、作曲している時の様子を表現した曲なのだと思います。

どういうことなのか。順番に詞を眺めていきましょう。




僕にしか見えない地図を拡げて独りで見てた

目を上げた時にはもう 太陽は沈んでいた

スピッツの歌詞を解読する場合、私は詞の冒頭に一番注目しています。マサムネさんが「この詞の読み方は、こうです」と、冒頭にキーワードを出してくれている場合が多いからです。曰く、「僕にしか見えない地図を拡げて独りで見てた」とのことです。僕はマサムネさんのことだとすると、彼にしか見えていない地図とはつまり、これから手掛けるスピッツの曲のことだと思います。これは、他の誰にも見ることのできない、まさに、マサムネさんにしか見えない地図ですよね。

この地図を眺めながら「どうしようかなぁ、ここをこう通った方が、いい感じかなぁ、ウーンウーン」と唸っています。「目を上げた時にはもう 太陽は沈んでいた」とのことですので、この作業を日中ずーっと行っていたのでしょう。マサムネさんにとって、作詞作曲を行うということは、宝の地図を眺めているようで、すごくワクワクする作業なのだと思います。なので、夢中になって行えるのですね。



造りかけの大きな街は 七色のケムリの中

解らない君の言葉 包み紙から取り出している

「造りかけの大きな街」とは、現実のものではなく、この地図上に記されている街のことだと思います。この地図はまだ未完成なので、街もまだ未完成というわけです。「七色のケムリの中」という、希望に燃える明るい街になるのか、絶望に沈む暗い街になるのかは、これから作曲するマサムネさん次第なのです。

さて、この次です。「解らない君の言葉」です。この詞における「君」とは、いったい何者なんでしょう?

私は、マサムネさんの中にいる、インスピレーション君のことだと思います。そしてこのインスピレーション君は、マサムネさんの女性のタイプにすごくピッタリの、姿かたちをしているのだと思います。なんかお姉さんチックで、マサムネさんのことを下に見ていて、「しょうがないわね。私が教えてあげるよ」みたいな、マサムネさんにとって頭の上がらない存在なのだと思います。

そんなインスピレーション君が、マサムネさんの地図の上で、なにやら秘密の言葉を発しては、包み紙の中にそっと吹き込んでいく作業をしています。この言葉の内容こそ、マサムネさんが産み出そうとしている詞なわけですが、彼女が巧妙に手元を隠すせいで、マサムネさんの目や耳にまで届きません。マサムネさんの作詞作曲は、このインスピレーション君に「ねえ、その包み紙の中に何が入っているか、教えてくれないかな?」と問いかける作業なのです。彼女はきっと、マサムネさんをからかうような仕草で、包み紙の中身を取り出して見せたり、見せなかったりしているのでしょう。



流れ星 流れ星 すぐに消えちゃう君が好きで

流れ星 流れ星 本当の神様が

同じ顔で僕の窓辺に現れても

ここまで解釈すれば、サビは簡単に理解できますね。そうです流れ星とは、まさにインスピレーション君のことを表しています。流れ星は、暗い夜空で、キラっ、と一瞬だけ光りますが、この様子がまさにインスピレーションなのです。すぐに消えちゃう存在だけれど、スピッツの曲を作るうえでは、絶対になくてはならない存在なのです。マサムネさんと、二人三脚で、スピッツの曲を産み出してきてくれた存在なのです。

「本当の神様」とは、「本当の芸術の神様」のことだと思います。めちゃめちゃすごい芸術の神様がマサムネさんの目の前に降臨して「オーッホッホッホ!私は全知全能の芸術の神様よ。私の言うとおりに作詞作曲すれば、ミリオンヒット間違いなしよ!だから私に従いなさい!」と、窓辺から言ってくることがあるかもしれません。

ちなみに、「本当の神様」が、誰と「同じ顔」をしているのかというと、インスピレーション君です。先ほど、インスピレーション君はマサムネさんの女性のタイプを模した姿かたちをしていると申しましたが、そうなんです。マサムネさんの想像する、芸術の神様像は、めっちゃタイプの女神様なのです。この短い詞の中で、理想の女神様像があることと、それと同じ顔のインスピレーション君がマサムネさんの中にいる、という情報が入っているわけです。なかなか複雑な話ではありませんか。あっ、すみませんマサムネさんの理想の女性像は、年上のお姉さんチックだというのは、外部情報になります。ようは、女性の理想像を持っているのが、本当の神様と、インスピレーション君だということだけを言いたかったのです。

さてさて、とはいえ、「同じ顔で僕の窓辺に現れても」に続く言葉は、「僕にはインスピレーション君がいるので、アナタは別にいいです」と、お断りのセリフが続くのだと思います。これは、すごいですね。誰もが恋焦がれる、ミリオンヒット請負人の本当の神様が目の前に現れても、それよりも自分のインスピレーションを信じる、というマサムネさん。ここに、マサムネさんの芸術に対する姿勢が見えるようです。



君の心の中に棲むムカデにかみつかれた日

ひからびかけていた僕の 明日が見えた気がした

誰かを憎んでいたことも 何かに怯えたことも

全部かすんじゃうくらいの 静かな夜に浮かんでいたい

「君」とは、マサムネさんの中にいるインスピレーション君ですが、その心の中のムカデとは何でしょう? 心の中にいる人の、そのまた心の中にいるムカデです。なんだかややこしい話ですね。

でも、言いたいことはわかります。その後の「ひからびかけていた僕」から想像できますが、マサムネさんは、たぶん音楽を辞めようとしていたのだと思います。「もうダメだ、俺にはもう才能がない…曲を作っても全然ウケないし…辞めちゃおっかな~」って悩んでいたのだと思います。

そんなマサムネさんに対して、インスピレーション君が黙っていません。「ふざけるな!」と激怒したのだと思います。「お前には才能があるんだよ! 私がお前の心の中に棲んでいるんだからな。お前が音楽辞めちゃったら、私はどうなるんだ!」とインスピレーション君に怒られて、包み紙の中身を勝手に投げつけられ、頭の中に曲のアイディアがボコボコと浮かんでくる、という状況になったのだと思います。マサムネさんの有り余る才能が、音楽の道から勝手に外れることを許してくれなかったのです。マサムネさんに、無理やり、明日を見せたのです。

こんな騒々しい、インスピレーション君とのやりとりがあったわけですが、実際はというと、マサムネさんが一人で過ごしている、「静かな夜」のことだったようです。静かな夜でありながらも、「誰かを憎んでいたことも 何かに怯えたことも 全部かすんじゃうくらいの」騒々しい夜だったに、違いありません。




という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?

この曲は、本当にマサムネさん個人的な曲だと思います。マサムネさん以外が歌っても、あんまりピンとこない内容なんじゃないかなと。歌詞を理解できないなら当然「?」ですけど、歌詞を完璧に理解できたとしても、それはそれで「?」という感じになる内容だと思うのです。マサムネさんの中にしかない、唯一で特別な感覚が表現されている内容だからです。

この、特別な曲でありながらも、辺見えみりさんに、どうぞどうぞと提供しています。このあたり、すんごいなと思います。理解できるものならやってみろ、というロックミュージシャン特有の挑戦的な心境だったのか、それとも「この才能ある人なら、僕の心を理解できるに違いない」と共感を覚えたからなのか。わかっていることは、流れ星はすごいなということだけですね。





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