スピッツ「夢じゃない」は、世界崩壊後の曲だった説~スピッツ歌詞解釈~



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ最大の謎である「夢じゃない」の歌詞について、独自の解釈をしていこうと思います。

おいおい、スピッツ最大の謎ではじまるブログこれで何回目だよ、と自分でも思わなくもないんですけど、だって意味のよくわからない曲が多すぎなんですもの。しょうがないですよね。

というわけで、今回は、「夢じゃない」です。

この曲は、ドラマの主題歌に採用されたこともあり、知名度は抜群だと思うんです。ロビンソンや空も飛べるはずをリアルタイムで聴いていた世代の人なら、ついでに知っていたとしても、まったくおかしくない曲です。とはいえ、こんなに知名度がある曲なんですけど、歌詞の意味については、誰もわかる人がいない、というのが実情なのではないのでしょうか。知っている人が多い曲だけど、誰も知らない、という、非常に特殊な曲だと思います。

そんな、長年秘密のベールに包まれてきた特別な曲ですから、この八百屋さんが、このたび正確に意味を解き明かすことに成功しました、だなんてことは勿論ないんですけど、でも、どうにか全体を通して意味が通じるような解釈ができましたので、ちょっと書きとめておこうかなと。



というわけで、この曲はブログタイトル通り、世界崩壊後の話となります。

世界崩壊って何? どういう状況? って話なんですけど、もし人類がこの世からいなくなるとしたら、核戦争で人類が滅亡するというシナリオが、もっとも確率の高い話なんじゃないかなと。

太平洋戦争終結後から現代までで、核戦争に突入しそうになった瞬間はいくつもありました。有名どころだと、キューバ危機、プラハの春、イラクによるクウェート侵攻、イラク戦争、そして2022年の今現在の、ロシアによるウクライナ侵攻。いずれも、どこかの国が核のボタンを押せば、その報復として核が使用されます。核の撃ち合いになり、国が滅ぶまで続けられます。そうなれば、滅びるのは核を撃ち合ったその2か国だけに留まりません。こうなった時点で「核の冬」となります。巨大隕石の衝突により恐竜が滅んだ現象とまったく同じ状況になるわけです。太陽光が遮られ、気温が低下することで植物も育ちません。そんな状況が、数十万年単位で続くわけです。人類は、もはや生き残ることが不可能でしょう。


この詞の舞台は、そうやって世界が崩壊してから数十万年も経過した、はるか未来の話です。



暖かい場所を探し泳いでた

最後の離島で

君を見つめていた 君を見つめていた Oh

この物語の主人公は、植物の種子です。

植物の種子は大変強く、冷凍された状態でも生き続けています。適温になるのを見計らって、芽を出すわけです。冬になったら朽ち果て、春になれば芽吹くことを、植物はずーっと繰り返していますが、このサイクルを氷河期の数十万年を隔てて、この小さな種子は行おうとしていたわけです。種子ごと氷漬けになっていた土壌が解けて、川になって流れだし、海に流されて、たどり着いたのがこの「最後の離島」だったんです。種子は、暖かい、自分が根付くことができる場所を求めて彷徨い、海岸に流れ着いたわけです。

そこで種子が物言わず見つめているのが「君」なのですが、この君は、のことなんじゃないかなと。



同じリズムで揺れてたブランコで

あくびしそうな

君を見つめていた 君を見つめていた Oh

「同じリズムで揺れてたブランコ」とは、海岸に打ち寄せるのことです。種子は、この永遠に同じリズムを刻むブランコに乗って、ゆらゆらと揺れています。

あくび、とは、のことです。砂が種子を捕まえてくれれば、そこに根付くことができます。風の拍子か、波の加減で、ちょっとした穴が開くことを、種子は期待しています。



夢じゃない 孤りじゃない 君がそばにいる限り

いびつな力で 守りたい どこまでも Oh

世界崩壊後から今に至るまでの数十万年の間、種子は、ずーっとひとりぼっちでした。この寂しさは、想像を絶するものでしょう。だからこそ、「夢じゃない!」という喜びは、私たち人間が想像するより、はるかに大きなものだったに違いありません。種子が生きてこの島にたどり着き、砂のあくびにより埋もれることができたのは、奇跡中の奇跡なのですから。

物言わぬ種子と、物言わぬ砂ですが、ここでようやく、ひとつの命として、ともに成長していくことができるわけです。

いびつなのは、植物だからです。植物に、左右対称はありえません。でも、大きくなり、葉を茂らせ、実をつけて、またその実が芽吹くのを繰り返すことで、さらに気の遠くなるような長い時間をかけて、この砂を、ひいては、この荒廃した大地を、守っていきたい、ということなのだろうと思います。



丘に登ったら いつか見た景色

季節の魔法で

君にうもれていた 君にうもれていた Oh

種子が海岸に流れ着いてから、生と死を繰り返して、丘に登る、つまり緑が丘の上まで到達することができたのは、数百年後といったところでしょうか。

その丘の上に根付いた樹がつけた種子がみた光景は、まさに、数百万年前、世界崩壊前に見た、緑で覆いつくされた世界でした。いつか見た景色が復活していたのです。

「季節の魔法」とは、大風か、大雨でしょう。種子を樹から落として、地下に潜らせました。ここでまた「君」に埋もれることで、次の芽吹きを待つことになったのです。



夢じゃない 孤りじゃない 君がそばにいる限り

汚れない獣には 戻れない世界でも

夢じゃない 弧りじゃない 君がそばにいる限り

いびつな力で 守りたい どこまでも Oh

「汚れない獣には戻れない世界」の部分ですが、これは、獣つまり哺乳類が死滅してしまった世界のことだと思います。以前の氷河期前は、大型の恐竜は絶滅しました。同じように、次の氷河期では人類を含めた哺乳類が絶滅します。食べ物もないし、気温も低い場所では、哺乳類は死に絶えるしかなくなるからです。そして、死に絶えてしまえば、もう二度と復活しません。植物はともかく、動物に関しては、そうなる運命です。

だけど、元の世界に戻らないとしても、未来には続いていきます。種子と、砂の出会いにより、世界にはふたたび緑が戻り、やがては動物が(どんな動物になるのかは未知数ですが)溢れる世界へと戻っていくことでしょう。



こんな感じで、夢じゃない、は、崩壊した世界の果てにある、少しの希望に満ちた物語だというふうに解釈できそうです。

この曲のMVもまた、荒廃した世界のようなものが舞台になっています。そこに意思を持った機械がアレコレ奮闘し、最後には倒れて動かなくなるという、もの悲しいストーリーが繰り広げられるわけです。

私の解釈と舞台は似ていると思いますが、結末がまったく違っています。

「夢じゃない」にてスピッツが伝えたかったのは、絶望か、それとも希望か……。

アレコレ考えてみるのも、面白いかもしれませんね。

どんな結末に落ち着くにせよ、この壮大な死生観を生み出したマサムネさんは、とんでもないですね。



「夢じゃない」すごいですね!



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