top of page

スピッツ「多摩川」は、多摩川のことだった説。



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「多摩川」について解釈していこうと思います。

みなさん、この曲を、変わった曲だな、と思っていませんか。私は中学校時代にこの曲に出会いましたが、変わった曲だな、と思っていました。だって、タイトルが多摩川ですよ? 恋愛の曲ばかりを歌っていたであろうスピッツが作った曲にしては、大好きでも、愛してるでもない、多摩川がタイトルになるなんて、そんなことがあるでしょうか?

でも、こんな私が大人になって、八百屋さんになって、スピッツの曲を一曲一曲ずつ振り返ってみると、普段何気なく接してきた曲たちに対しても「おや?」と思うようになりました。雰囲気で使っていたのかなと思うフレーズが、めちゃめちゃ重要な意味をもっていることを発見できたりしたのです。むしろ、スピッツの曲の中には、意味のない言葉なんて、ただの一語も存在しませんでした。俳句を作るみたいに、肉付けして削ぎ落してを繰り返して、本当に必要な言葉だけを綺麗に残して、曲にしているのです。曲のひとつひとつに、その丁寧な作業を繰り返しているのだと、感じました。

それは、この「多摩川」だってそうです。「多摩川」は、悪ふざけで適当につけられたタイトルではないのです。丹念に時間をかけて曲を作り上げるのですから、適当に作った意味のない曲なんて一つもないのです。そんな曲に、適当なタイトルなんて付けるはずがないのです。

なので、多摩川もまた、深い意味が込められているに違いないのです。


というわけで、私は上記をふまえて、今回は逆算方式で多摩川の詞を考察していきたいと思います。

これまでは、マサムネさんがどう考えるかで、歌詞の意味を解釈してみましたが、今回は曲の意味をモリモリに盛ることで、マサムネさんが考えたであろうことに近づいてみたいのです。

多摩川という曲を作ろうと思った天才の思考を直接探るのは難しいですが、多摩川にどんな出来事や由来があるかを探ることで、「もしかすると、こう考えたんじゃないかなぁ」と想像することで、その思考に迫ることができるんじゃないかなと。


ところで、みなさんは多摩川のこと、どう思っていますか?

特に関東近辺にお住いの人ほど、ただの生活用水として認識しているのではないのでしょうか。いや、こうしてテーマに取り上げなければ、普段は認識すらしていないのではないのでしょうか。ひとは詩を作るときは、星とか空とか海とか、何かワクワクするものや、得体のしれない未知のもの、愛や情を感じるものに惹かれますが、逆に言えば、ワクワクしないし、内容も気にしたことないし、とくに愛着もないものは、詩のテーマになりえないですよね。一般の人にとっては、変電所とか、園芸試験場とか、河口堰とか、詩の対象になりえないのと同様です。

ようは多摩川は、特別な意識を向けなければ、ただの生活用水であり、変電所であり、園芸試験場であり、河口堰なのです。

なのでまずは、多摩川のことを、特別な存在として認識するところから、始めたいと思います。


多摩川の名前の由来ですが、諸説あるそうです。

まず、「玉のように美しくきれい」であることから、「玉川」と名付けられた説。その「タマ」という呼び名を「多摩」という文字に当てはめて、今に至るという説です。

次に、「タバ」川という説。「タバ」とはアルタイ語族の祖語で「峠」を指す言葉で、多摩川の場合は丹波山峠を指します。アルタイ祖語はモンゴルの遊牧民の間で使用されていた言葉で、日本語のルーツにもなったとされています。大きな川というのは大昔から名前があるのが普通で、同じ関東を流れる利根川も、アイヌ語で巨大な谷を意味する「トンナイ」が由来だという説があります。

最後に、「タマ」とは「霊魂」のことだった説。多摩川は「霊力をもつ川」「神聖なる川」であるとされていたのです。


どうでしょう?

ウィキによれば、この3点以外にも由来が挙げられていますが、それだけ由来があることからわかるとおり、多摩川には長い歴史があり、多くの人々が関わってきた川なのです。

マサムネさんが多摩川のほとりに立って、これら歴史の流れを感じた時、何を思ったのでしょう?




蒼白き多摩川に 思い浮かべて

すべるように穏やかに 今日が暮れてゆく


風の旅人に 憧れた心よ

水面の妖精は 遠い日々の幻

僕の中に 君の中に




「風の旅人」とは、はるか草原の彼方にあるモンゴル高原から、日本の多摩川を目指して渡って来た遊牧民を思い浮かべているのかもしれません。

「水面の妖精」は、聖なる川として信仰されていた頃に多摩川に住み着いた妖精のことかもしれません。しかしその妖精は、すでに「遠い日々の幻」になっていて、現代のマサムネさんからは見ることができません。

でも、現代人のマサムネさんや、マサムネさんの隣の君には、モンゴルの彼方からやってきた風の旅人の血が薄く混じっているはずです。また、何代か前の祖先は、多摩川を信仰していたかもしれず、信仰していたとしたら、この水面の妖精を感じることができていたはずです。

そういった魂に刻まれたモノが、僕の中に、君の中に、あるのだということを言いたいんじゃないかなと思います。




スピッツが好きな八百屋さんの記事一覧はこちらからどうぞ↓



閲覧数:17回

Comments


〒910-0124 福井県福井市天池町34-43

TEL / 090-8261-9505

mail / yaoyatekuteku@gmail.com

・実店舗はございません。
・通販サイトにて福井の野菜を中心に販売。

© 2019 八百屋テクテク All rights reserved.

bottom of page