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スピッツ「ハチミツ」は、ハチミツのことを表現した曲だった説。



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「ハチミツ」について解釈していきたいと思います。

この曲は、ハチミツのことを現わした曲だと思います。というのも、たぶんみなさんは、ハチミツは何かの比喩であり、恋人同士の暖かさを表現した曲なのだ、と解釈していると思います。そしてそれは正解です。この詞の根本にあるのは、まさにその心だと思います。

でも、詞の内容については、思った以上にハチミツのことについて描かれています。そう、八百屋さん的には思います。八百屋さんは食品を扱っているので、そういう思考に偏りがちだから、そう思うのかもしれません。

いや、養蜂農家さんだって「良くできたハチミツの曲ですね」と言うに違いありません。世の中の人のうち、八百屋さんと養蜂農家さんは、そう思うのです。

ということで今回は、八百屋さんの思考に沿って、この曲を解釈してみたいと思います。

八百屋さんなら、この曲をどういうふうに解釈するのか、興味のある人は(いるのかな?)ぜひお付き合いくださいませ。




一人空しくビスケットの しけってる日々を経て

出会った君が初めての 心さらけ出せる

みなさんはビスケットを食べる時、なにかと一緒に食べることがほとんどだと思います。紅茶やコーヒーと一緒に、とか、それこそハチミツと一緒に食べたりすると思います。ビスケットはボソボソして、口の中の水分を奪われるんですよね。そもそもビスケットは、単体でバクバク食べられるような設計になっていないのです。口も乾くし、甘味も少ないし。

そんな感じでビスケットは、何もない昔は重宝されましたが、お菓子の発展により、単体で食べてもめっちゃ美味しいケーキやらパフェやらに主役の座を譲ることになったのです。今はレストランでデザートを注文したら、オシャレなケーキやパフェが出てきますが、小麦を焼いただけのシンプルなビスケットが出てくることはなくなりました。

そんな感じで、一人空しい日々を過ごしていたビスケット君。昔、人気があった頃は、焼いてからすぐに消費されていたでしょうけれども、今では焼いてもなかなか売れず、お店の棚にいる時間が長くて、いつの間にか湿気ってる、という日々が続きました。

そんな、湿気ってる日々を過ごしていたビスケット君ですが、ある時ハチミツちゃんに出会いました。ビスケット君とハチミツちゃんは相性抜群で、ビスケットのボソボソ感をハチミツが滑らかにしてくれ、また甘味を加えてくれます。ビスケット君の欠点を、綺麗に補ってくれるのです。

ビスケット君は「うわぁ、ありがとう~!」と感謝したでしょう。ハチミツちゃんは、ビスケット君のいじけた心を素直にしてくれたのです。



素敵な恋人 ハチミツ溶かしてゆく

こごえる仔犬を 暖めて

懐かしい遊びが蘇るのは

灯りの場所まで 綱渡りしたから

上記の流れで解釈すると、「素敵な恋人」とはハチミツちゃんのことです。ハチミツちゃんは、ビスケット君のために、自分の身体を溶かしてゆくのです。

またハチミツは花の蜜であり、糖分です。食べれば熱エネルギーになります。凍える身体も暖かくなります。

「懐かしい遊び」とは、動揺「ふしぎなポケット」のことかなと想像しています。「ポケットを叩けばビスケットが二つ」というやつです。ビスケットを1枚ポケットに入れて叩くと、二枚になっているというやつですね。ビスケットが増えると嬉しいのは、ビスケットの美味しい食べ方が見つかったからです。

ビスケット君がハチミツちゃんという灯りと出会うまで綱渡りしたから、ボソボソのビスケットでも、増えて嬉しいという時代になったのです。



ガラクタばかり ピーコートの ポケットにしのばせて

意地っ張り シャイな女の子 僕をにらみつける

「シャイな女の子」とは、花の蜜を集めるミツバチのことだと思います。花の蜜を集めているのは、すべてメスの蜂なのです。

ピーコートは、着丈の短いコートなので、良く動く活発なイメージがあります。また蜂は英語でBeeです。読み方が似ています。やはりミツバチに絡めたい意図があるように思えます。

とすると、「ガラクタばかり」とは、花の蜜の種類がバラバラだといいたいんじゃないかなと。養蜂だったら、アカシアとかレンゲとかマヌカハニーとか、意図した種類の花の蜜を収集させます。が、このミツバチは野生なので、いろんな花の蜜を収集しているんじゃないかなと。

そして、ミツバチは意地っ張りで、自分たちが集めたハチミツを守ろうとします。一方でシャイな一面もあります。目だたない安全な場所に巣を作りますし、よく引っ越しもしちゃいます。

ビスケット君がハチミツちゃんを求めて、蜂の巣に手を伸ばしたら、この小さな女の子に睨みつけられた、ということだと思います。



おかしな恋人 ハチミツ溶かしてゆく

蝶々結びを ほどくように

珍しい宝石が 拾えないなら

二人のかけらで 間に合わせてしまえ

ここです。おかしな恋人とは、面白い恋人とか、不思議な恋人とかっていう意味だと思っていましたが、ここにきて「お菓子な恋人」という可能性もでてきました。そうです。この詞は、ビスケット君とハチミツちゃんが恋人になった曲なのです。そうであってもおかしくなないですよね。お菓子だけに。

「蝶々結びを ほどくように」もまた、かたくなな心を溶かしている表現であるのと同時に、お菓子の袋の封を解いて中身を取り出しているかのようです。こういう、俳句の掛詞のような遊び心が、この詞には使われているような気がします。

「珍しい宝石が 拾えないなら 二人のかけらで 間に合わせてしまえ」ですが、珍しい宝石は、パフェやケーキなど手間暇かけた美味しいお菓子のことを指しているのだと思います。でもそれがないなら、ビスケット君とハチミツちゃんとの組み合わせで、美味しいティータイムにまにあわせてしまえ、ということなのだと思います。




という感じで解釈しましたが、いかがでしたでしょうか?

このブログのいちばん最初に申しましたとおり、この詞に込められた一番奥底にある感情というのは、恋人同士の暖かさであることには間違いないと思うのです。この感情は誰でも読み取ることができます。

しかしながら、どんな経緯で何があったかを、この詞から詳細につかみ取ろうとすると、途端にぼやけてしまうのです。これはめっちゃ不思議ですよね。

私は、この詞はビスケット君とハチミツちゃんの詞だと解釈していますが、あまり本気でそう思ってはいません。もっと別の解釈ができると思っています。とはいえ、この詞が言いたかったことは、ちゃんと理解できているつもりでいます。スピッツの詞とは、そういうものだと思っています。




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