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スピッツ「ドルフィン・ラヴ」は、ジミ・ヘンドリックスに対する憧れと絶望の曲だった説。



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「ドルフィン・ラヴ」について解釈していこうと思います。

といっても、この曲の解釈は、この曲が収録されているアルバム「Crispy!」のウィキに載ってます。この曲は、「ジミ・ヘンドリックスを意識してます」とのことです。

そうです、この曲は、天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスに対する憧れと絶望を繰り返している曲だというわけですね。イルカみたいに海洋を優雅に泳ぐ存在がジミ・ヘンドリックスのギターで、それに比べたらマサムネさんのギターテクは、トカゲのしっぽみたいに無様だ、ということを言いたいのです。

ジミ・ヘンドリックスは、ギタリストを志す青少年たちの憧れを、もっとも集めたアーティストであり、そして同時にもっとも多くの絶望を与えたアーティストでもあります。ようは、ギターがうますぎるんです。

史上最も重要で影響力のあるギタリストの1人とされるエリック・クラプトンは、ビートルズなど強豪と肩を並べて、トップスターのギタリストとして活躍していた頃に、ジミと出会っています。そこでジミの演奏を聴いたエリック・クラプトンは、彼のギターテクに打ちのめされました。冗談か本当か、廃業を考えたこともあるそうです。

エリック・クラプトンのような伝説のギタリストでさえ廃業を考えたのですから、デビューして間もないピヨピヨのマサムネさんがジミのギターを聴いたら、さぞやドでかいショックを受けたに違いありません。ジミのようになりたいと願う一方で、現実を突きつけられて絶望する、という、背反する感情に苦しめられたのです。

この、ジミに対する憧れと絶望を描いたのが、この曲なのです。

と、ここまで書けば楽に解釈できるとは思いますが、いちおう順番に眺めていきましょう。




イルカの君は僕に冷たい

イルカの君は僕に冷たい

いつも oh yeah 氷みたい

ぶつかって逃げ込め 火の中へ

イルカとは、ジミのことです。ジミは1970年に27歳の若さで早世しています。一方でマサムネさんは1967年生まれで、ジミが亡くなった時には3歳だった計算になります。当然面と向かっての交流はないでしょう。あくまでもマサムネさんが動画やCDで、ジミの音楽を一方的に聴いていたということになります。

そのうえで、「イルカの君は僕に冷たい」というのは、ジミに超絶ギターテクを見せつけられたマサムネさんが「意地悪!そんなの出来るわけないじゃん!」と一人で勝手に怒っているシーンだと思います。涼しい顔をしてギターを演奏するジミは「こんなの、普通できるっしょ」と言っているように見えます。が、どう頑張ってもできないのです。これは、氷みたいに冷たいですね。ギタリストだったら絶望の淵に立たされることでしょう。

この氷のように冷たい状況を打破するには、ひたすらギターを弾くしかないのです。ギターで発生したモヤモヤは、ギターで解決するしかないのです。熱い魂でギターを弾いて、うちなる炎を燃やしていこうとしています。



トカゲのしっぽ まだまだ死ねない

トカゲのしっぽ まだまだ死ねない

あえて oh yeah 何をしようかな

別れたその日の 恋だから

「トカゲのしっぽ まだまだ死ねない」は、マサムネさんのことです。ジミに打ちのめされましたが、だからといってスピッツを辞めるわけにはいきません。自分がどんなに惨めでも、どんなにブサイクに映ろうとも、まだまだ死ねないのです。

「別れたその日の 恋だから」は、ジミに打ちのめされて「もうやーめた」って観るのをやめた後、「やっぱりもう一回観よう。あ~スゲーぜ!」ってもう一回観たのだと思います。何度でも憧れて、何度でも絶望していくのです。



朝もやに溶け出す 三日月追いかける

傷痕を気にせずにさ 自由に泳げたらいいな

こんなトカゲのしっぽのマサムネさんですが、海を泳ぎたいなと願っています。「傷痕を気にせずにさ 自由に泳げたらいいな」と、傷のないイルカのような優雅な動きは到底できませんが、せめて傷痕とか、ブサイクさを気にせず、自由にこの世界を泳ぎたい、つまり、自由に自分らしく、自分にできる精一杯の範囲でスピッツを演奏したいということだと思います。

そして、自分らしい、というのは、例えば「朝もやに溶け出す 三日月追いかける」という、マサムネさん特有の、誰にもマネできないような詞の表現をするということだと思います。



群れから離れたら 化石を集めよう

傷痕も気にせずにさ 自由に泳げたらいいな

「群れから離れたら 化石を集めよう」は、ジミのCDを集めよう、ということなんじゃないかなと思います。というのも、ジミは実質4年間しか活動していなかったため、生前発売されたレコード(CD)はそんなに多くありませんでした。でもジミは多数の音源を残していました。その音源が死後になって、多数発売されることになったのです。そのCDたちは、ジミが生きていた証がくっきり表れたものなので、化石に例えているんじゃないかなと。

ジミのファンだったマサムネさんは、スピッツという群れから離れて独りで行動する時は、ジミのCDを探しにCDショップやレコード屋さんを回っていたのだと思います。



という感じで解釈してみました。

まあでも、私のオリジナル解釈というわけではなく、誰が解釈しても同じような内容になると思います。ジミ・ヘンドリックスを意識したという情報があれば、難なく解釈できると思います。

逆に言えば、ジミ・ヘンドリックスを意識したという情報がなかったら、私もこの解釈に行き着くことはできなかったでしょう。現代にはウィキペディアというとっても便利なものがあって、よかったと思います。




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