
こんにちは。八百屋テクテクです。
今回は、スピッツ「トンガリ’95」について解釈していきたいと思います。
この曲は、ブログタイトルにもありますとおり、ロックがやりたいという強い思いが込められた曲だと思います。
けっこう楽に解釈ができます。というか、見たまんまだと思います。なので、いつものように解釈に大幅に文字数を使わなくても平気です。いや~楽でいいですね(笑)
というわけで、順番に詞を眺めていきましょう。
プラスチックのカバーを はずしたその後で
短い夢を見てる おかしなフライデー
プラスチックとは、この時代は大量生産できるチャチなものとしての認識でした。たぶんマサムネさんはこのカバーで全身を覆うことで、本当の自分を隠していたのだと思います。この時期「僕たちは、羊の皮をかぶった狼です」みたいなことを言ったりしていましたが、羊の皮にあたるのが、プラスチックです。
大衆受けしやすいような、チャチな歌を歌っているバンドとしての認識されているかもしれませんけれども、実はそれは、彼らを覆っているカバーの部分であり、奥にはゴリゴリなロック魂をもった本体があるんです、と言いたいんじゃないかなと。
「短い夢を見てる おかしなフライデー」は、本当にロックな曲を、みんなの前で演奏していることを表しているのかなと。自分たちの本当にやりたい音楽をやって、みんなに聴いてもらう。これこそが夢なのです。
冴えわたる夜空に いきなり現れて
青い猫目のビームで 突き刺すような
君は今誰よりも
とがっている とがっている
とがっている とがっている
ここも、ロックな音楽をやっているスピッツを表しています。ステージの上からロックな音楽をビームのように発射して、みんなのハートを突き刺したいと思っています。
自分たちのロックな音楽を君に突き刺したことで、君の心もギンギンにとがらせたいと思っています。
死ぬほど寂しくて 扉をたたいても
繰り返されるテープの 音は消えず
「繰り返されるテープ」とは、同じ内容を何回も言われることについて悩んでいる表現だと思います。
「スピッツってJポップミュージシャンですよね」と言ってきた人に対して、「いやあの、それはプラスチックのカバーの部分であって、本当はロックをやりたいんです」と最初は丁寧に説明したことでしょう。でもまた別の人が「スピッツってJポップミュージシャンですよね」って言ってくるのです。スピッツぐらいの知名度になってしまったら、そりゃもうキリがないぐらい。マサムネさんにとっては「スピッツってJポップミュージシャンですよね」って吹き込んだテープが、耳元でずーっと回っているような、やかましい状態だったに違いありません。
そんな状態が死ぬほど寂しくて、マサムネさんは扉をバンバン叩いちゃったそうです。この扉をたたくというのは、新しいロックに挑戦してみた、という意味だと思います。でもいろいろ試してみるものの、「スピッツってJポップミュージシャンですよね」の声は、なかなか消えてくれません。世間の印象を、大きく覆すことができずにいます。
散らかった世界は 少しずつ渇いてく
壊れかけのサイボーグを 磨きながら
俺は今誰よりも
とがっている とがっている
とがっている とがっている
「散らかった世界」は、マサムネさんの頭の中にある、ロックで表現したかったモノやヒト、コトで散らかった世界のことだと思います。でもロックバンドとしてはなかなか売れず、売れるためにポップミュージックとして、そのネタを昇華せざるをえなかったこともあります。ネタ側としては、「なんでぇ、ロックとしてオイラを調理してくれるって聞いたのに、世間ウケを狙って、ポップな感じにしやがって。ケッ。オメーの腕は、そんなもんかよ」って、「少しずつ渇いてく」つまり、ふてくされているんじゃないかと、マサムネさんとしては思っています。
その次の「サイボーグ」っていうのは、ロック音楽製造装置のことだと思います。マサムネさんは自分の事を、サイボーグ超人だと思っています。なのでロックのアイディアは、いくらでもあるのです。でもメンタルが最近、やりたいことがうまくやれずにいるせいで、どうも不調です。なので壊れかけています。
そんな、壊れかけのサイボーグでも、ロックのステージに立つために、綺麗にしておきたいと思っています。俺はロックでとがっていくんだ、という意思表示が、「磨きながら」に現れていると思います。
という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?
まあ、私の解釈が合っているかどうかはさておき、「ロックでギンギンに尖っていくぜ」というメッセージだけは、ダイレクトに伝わってくる詞だと思います。あんまり細かい設定とか解釈とか、必要のない詞なのだと思います。
深く掘り下げれば広い世界が広がる詞もあれば、ストレートな詞もある。マサムネさんの世界は、縦横無尽だなと思います。
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