
こんにちは。八百屋テクテクです。
今回は、スピッツ「エトランゼ」について解釈していきたいと思います。
この詞は、めっちゃ短いです。
目を閉じてすぐ 浮かび上がる人
ウミガメの頃 すれ違っただけの
慣れない街を 泳ぐもう一度 闇も白い夜
エトランゼとは、見知らぬ人とか、異邦人という意味だそうです。
これを踏まえて詞を眺めると、「目を閉じてすぐ 浮かび上がる人」は、全然知らない、赤の他人だったわけですね。
でも、なんで知らない人が、目を閉じると浮かんでくるのか。そしてそれをなぜ、わざわざ曲にまでしてまでマサムネさんは訴えたかったのか。
このあたりを想像することが、この詞を解釈するうえで必要になってくることなのかなと。
ここからは、完全に私の想像になりますが、この話は竜宮城の話なんじゃないかなと思っています。
そしてマサムネさんはウミガメになって、竜宮城を散策した夢をみたんじゃないかなと。
竜宮城の色とりどりの街は、美しい人魚たちの活気にあふれていて、豪華な食事と、美味しいお酒が沢山ありました。その街の主は、絵にも描けない美しさと言われる、乙姫です。
一方でマサムネさんは、綺麗な詞を描きたいと思っている人です。綺麗な詞のパーツを集めるうえで、綺麗に描かれた人の情報を集めることもしたでしょう。であるならば、こうした伝説上のお話にまで、素材集めの思考を伸ばしていたはずです。いや、実際に美しいかどうかはそこまで重要ではなく、むしろ美しいと思われていた背景が何だったかを知ることのほうが大事なので、そういう意味でも昔話とアーティストは、相性がいいのです。
マサムネさんが曲作りに悩んでいた際、「なんか浦島太郎のエピソードとか、使えないかな~」なんて考えていると、眠気がきました。ウトウトしながら夢の世界にいくと、自分がウミガメになって、海原を漂っているのに気が付きました。
「おや、もしかしたら、竜宮城にいけるかも?」
と考えて、海の中に潜っていくことにしました。乙姫がどんなに美しい存在なのかを、見てみようと思ったのです。これは別に、乙姫を口説こうとか、そういう考えではありません。マサムネさんの目的は、絵にも描けないことを詞に書き起こして、その曲をばらまくことにあります。これまで培ってきた自分の表現力で、乙姫の美しさを描けるか、それとも自分には描けないくらい、乙姫が美しいのか。そこにのみ関心があります。
そうやって竜宮城の中を探索しながら泳いでいたけれど、かんじんの乙姫の姿が、いくら探しても見あたりません。竜宮の街を泳げども泳げども、いっこうに乙姫のいる場所にはたどり着けないのです。もしかすると、すでにすれ違っているのか、行き違いをしているのかもしれません。もたもたしているうちに、濃い霧が現れて、自分がどこにいるのかわからなくなりました。竜宮城は白い闇である霧の中へと、消えてしまったのです。
そんな、消化不良な夢から目を覚ましたマサムネさん。起きている時も、ずっとあの夢の内容が気になってしまいます。
「乙姫って、どんな姿形をしているんだろう? また今日眠るときは、あの夢の続きが見れるよう、竜宮城のことを考えて眠ろう……」
と決意しました。
という一連の流れを描いたのが、この詞なのだと思います。
「目を閉じてすぐ 浮かび上がる人」は、乙姫のことです。また、乙姫は日本国籍を持たない、海底都市の住民なので、異邦人という意味での「エトランゼ」に該当します。そして、このブログの最初の方の疑問である「なんで知らない人が、目を閉じると浮かんでくるのか」については、乙姫の顔が最後までわからなかったからです。わからないので、なんとか見てみたいな、と執着しているのです。
なので、今日もまた「竜宮城にいくぞ」という決意を胸に、マサムネさんは眠りにつくのです。「慣れない街を 泳ぐもう一度」と。
まあ、全部この八百屋さんの妄想です。が、いちおう詞の中身は矛盾なく解釈できていると、自画自賛しています。
曲もなにか深海に潜っているような感じがするし、そこで何かを探しているようなワクワク感も感じます。この解釈にぴったりだと思います。
スピッツが好きな八百屋さんの記事一覧はこちらからどうぞ↓
Comments