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スピッツ「ほうき星」は、宇宙の話だった説。



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「ほうき星」について解釈していきたいと思います。

この詞は、彗星が宇宙を彷徨っている様子を現わした曲なんじゃないかなと思います。文字通り「ほうき星」の曲なのだと思います。

順番に詞を眺めていきましょう。




錆びついた扉が はじめて開くよ

この詞は、錆びついた扉の存在から始まっています。大昔からある扉なので錆びていますが、これがはじめて人間の手によって……その扉の向こう側にいきたいという意思をもって、はじめて開かれました。

地球が誕生して45億年、宇宙が誕生して46億年経っています。人類の誕生が500万年前とされているので、宇宙の歴史からすると人類なんてほんの一瞬にすぎません。この扉は、500万年分の知識しかない人類に、宇宙全体を見せてくれる扉なのだと思います。扉の向こう側には、壮大な宇宙が広がっているのだと思います。



僕らは ほうき星 汚れた秋空

その扉の向こう側に行ったマサムネさんは「僕らは ほうき星」だと思ったそうです。

ほうき星は、大部分が氷で出来ている天体で、太陽熱で削れて減りながら進んでいきます。その削れた部分が長く尾を引いて、ほうきのように見えているのです。

なお、人間目線では彗星の飛来は何十年に一度の間隔ですが、45億年生きている地球目線だと、とんでもない量の彗星が飛来しています。人間が見ている空は穏やかですけれども、地球が見ている空は、彗星ばかりで汚れていることでしょう。

私たち人間の営みもまた、地球にとっては彗星のようです。文明が勃興し、繁栄し、衰退して、滅亡します。繁栄してキラキラと輝いてみえていても、その内情は崩壊に向かってゆっくりと破片をまき散らし続けているのです。



ゆらゆら さまよう 魂を巻き込む

祈りを受けとめて流れに逆らって

彗星は、無機物です。引力という名の流れに従って、決められた起動を回っています。

一方で「祈り」は、有機物にしかできません。

有機物は、無機物のゆらぎから、この宇宙のどこかで偶発的に発生しています。ですが宇宙の超高温、あるいは超低温により、すぐに消滅してしまいます。有機物の発生を彗星が目撃したとしても、有機物を活かす土壌を持たない彗星自らが、消滅させてしまうのです。これが「魂を巻き込む」ということだと思います。

でももし、マサムネさんが意思のある彗星になれたら。ゆらぎから発生した有機物たちの「いきたい」という願いをかなえてあげようと、引力とか宇宙の法則とかに「逆らって」、地球みたいな生命あふれる星になったとしたら……。



今 彗星 はかない闇の心に そっと火をつける

弾丸 桃缶 みんな抱えて 宙を駆け下りる

「闇の心」とは、宇宙に漂う無機質な心です。いや無機物ですから、心でもありません。そこに心を生やし、そっと火をつけてみます。つまり、意思をもった惑星になるのです。そして、地球と同じ生命あふれる星になろうとしたのです。

生命あふれる星は、ほぼ地球と同じ運命をたどることとなります。生命が生まれ、人類が生まれ、弾丸の発明により戦争も生まれ、多くの人が亡くなりました。一方で、桃缶の発明により、食料の長期保存が可能になりました。それらをみんな抱えて、太陽のまわりをグルグル回るのです。



つながって遊べば どこかで切れそうだ

静かに近づいて 涙を乾かした

ほうき星は、氷の天体です。この氷が太陽熱で削れて、分離しながら飛来しています。もし惑星に定着した生命体が、ホウキのようにつながった部分で遊べば、どこかに切り離されて、宇宙のもくずとなるでしょう。彗星側からしたら「ああ~せっかく定着した生命体がぁ~!」っていう気分になります。

この悲しみの涙のように流れ出た水分を、また冷たい場所に移動することで、乾かします。まるで自分を慰めるかのように。



今 彗星 はかない闇の心に そっと火をつける

哀愁 街中 すぐにはがれて 何度甦る

もし彗星の中に街ができたら、太陽に接近するたびに、熱ではがれて、どこかに飛んでいくことになります。彗星にとっても、生命体にとっても、悲しいことです。でも彗星の中で生き残った生命体は、また街を作ります。そのくり返しになるでしょう。




という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?

マサムネさんがある日見た、荒唐無稽な夢の内容、って感じがします。たぶん天体関係の本とかを読みながら、うつらうつらしていた時に見た夢なんじゃないかなと思います。

愛とか情熱とか友情とか、そういうテーマ性を一切省いて、ただただ目に映ったものと、自分が感じたことだけを並べて詞にしていく。宇宙そのものを描こうと思ったら、そうならざるをえないのです。宇宙という壮大なものの前には、人間が500万年程度で培った知恵など、小さなものです。その小さな知恵に宇宙を当てはめちゃうと、宇宙が小さくなってしまいます。

自分の思考が及ばないものを描こうと思ったら、こうするしかないと思います。そういう意味では、私が知る限りこの詞が、もっとも宇宙をうまく描いた詞だと思います。



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