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スピッツがダサいって?まじかよ!?






先日こんな内容のツイートをみかけました。


「我々世代が、ひと世代前のアーティストのアリスやチューリップがダサいと思う感覚で、今の若い世代はスピッツやミスチルがダサいと思っている、らしい」と。


スピッツと生きてきた世代で、人生の多くがスピッツで彩られてきた私にとっては、ショッキングな内容だったんですけど、でも「なるほどね」とも思いました。




実は、私の同級生にも、スピッツやミスチルのことをダサいと言っていた人、いました。

私が中学生だった時、スピッツがロビンソンでブレイクし、チェリーとかを順調にリリースさせていました。それから高校になってしばらくした頃、スピッツはもう古いんじゃね?という波が現れ始めたように思います。当時の音楽事情はとても流れが早く、安室奈美恵が社会現象を引き起こし、宇多田ヒカルが最新鋭の音楽を引っ提げて現れてきた頃です。一年前の音楽がもう古い、懐かしい、まだその曲聞いてるの? みたいな時代でした。



その、スピッツがダサいと言っていた彼は、私のしらないロックな曲を聴いていました。

単純だった私は、「へぇー、次に来る音楽の傾向って、こういう感じなんだ」ぐらいに思っていました。

同時に、未だにスピッツにしがみついていた私自信を、時代遅れな人間だな、と恥じました。



それから幾年の月日が流れました。私は高校を卒業し、大学も卒業し、社会人として働き始めていました。

その時に知り合った友人が、なんと熱心なDEENファンでした。

彼は当時大学生くらいで、社会人数年目の私よりもずいぶん年下でした。そんな彼が、私より少し上の世代が主なファン層のDEENを追いかけている姿は、私にとっては異邦人のようでした。音楽とは、常にその時代に生きたアーティストとともに歩むのが当然だと思っていたからです。彼が好む音楽は、もっと若手のアーティストであるべきだと、勝手に思っていました。



私もDEENが好きだったので、彼と意気投合しましたが、私は彼が年相応でないことをからかうと、彼は真剣に怒りをあらわにしました。



「DEENが好きで何が悪いのか。DEENが活躍した時期に好きにならなきゃ、好きになっちゃいけないのか」



普段は誰よりもふざけたことを言っていた彼でしたが、DEENが好きなことをからかわれた時の彼の怒りには、さすがの私も反省し、態度を改めました。


その後、彼とは仲良くDEENのニコニコ生放送を2時間ほど見た覚えがあります。




確かに、ダサいと言っちゃう人はいます。ダサいと感じちゃう人もいます。それはでも、自由だと思います。

ダサいと思う彼らに、いかにその音楽の良さを伝えようとしても、伝わらないでしょう。それはもう、しょうがないです。

同時に、どんなに古い音楽でも、そこに価値を見出してくれる人もいます。曲と世代がアベコベに見えても、確かにそれを愛してくれる人がいます。

それは不思議でもなんでもなく、曲の力であり、アーティストの魅力なんだな、と思います。



スピッツの魅力に気が付いて、好きになってくれた若い人の感覚は、本当に貴重なものだと思います。

彼ら彼女らの感覚というものを、同じファンとして、大事にしていきたいと思っています。


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