タイトルの話ですけど、
そういうこと、スピッツ好きなみなさんなら、身に覚えがあると思います笑
人生の応援歌って、いろいろ思い当たる曲があると思います。
負けないこと投げ出さないこと逃げださないこと信じ抜くこと。それが一番大事。
なんていう曲もありました。
どんなに困難でくじけそうでも信じることさ必ず最後に愛は勝つ。
なんていう曲もありました。
どの曲たちも、ストレートに「負けないことの大切さ」や「愛は勝つのだ」ということを訴えかけてきてくれました。こういう曲を心に秘めて乗り切った経験のある方も、かなり多いと思います。
一方の、我らがスピッツ。
なんと、
「だからもっと遠くまで君を奪って逃げる」
と、理由をつけて遠くに逃げだそうとしてしまいます。
または、
「愛は必ず最後に勝つだろう、そういうことにして生きてゆける」
とか、
「愛してる の響きだけで強くなれる気がしたよ」
など、とりあえず愛は強い気がするので、そういうことにしておこう、的な、そういう緩さがあります。
このように、スピッツの曲には、
「逃げ出すな」とか「くじけるな」などといった、かたい信念からくる毅然としたものは感じられません。
絶対の自信というものはなくて、「これでいいかな?ダメっていうかな?」と、迷いすら見えます。
ただ、これが、私たちのリアルな心境を言い表してくれているのではないのでしょうか。
自分が完璧な人間であると、言い切れる人間は少ないのです。
むしろ、悩んで迷って、正解かもしれない道を恐る恐る進んでいる人のほうが多いのです。
どんな曲が応援歌として適しているかは、人それぞれです。
檄を飛ばして、自分を奮い立たせてくれるような曲が合う方もいるでしょう。
頑張れがんばれ!!と言われて頑張れる方もいるでしょう。
スピッツの曲は、この点、私たち凡人と同じ目線でいてくれます。
優しい言葉で寄り添ってくれます。
ストレートに「がんばれ!」とか「やればできる!」とは言ってくれないので、ぱっと見わかりづらいかもしれません。
ずっと聴きこんでいるうちに、ふと、「あれ? この曲って実は応援歌なんじゃないか?」と発見します。
深く聴きこめば聴きこむほど、世界観が広がっていくので、実に楽しい曲たちなのです。
「スピッツの曲を聴いて、スピッツを応援していたと思っていたら、実はずっと応援されていたことに気が付いた」なんてことも、よくあります。
それが、スピッツの楽しさのひとつなのだと思っています。

ぼくは歩いてく
雨の中を
陽射しの中を
闇の中を
思い出の中を