スピッツは昔から「ファンの8割が女性」と言われています。
私的には、とても不思議な話です。
ミスチルとか、B'zとか、男性ロックグループのファン男女比は、だいたい半々ぐらいです。
女性歌手とか、女性グループなんかでも、男女比はそんなもんじゃないでしょうか。
男女比が変わるとしたら、例えばアイドルですね。
東方神起のファンは、女性ばっかりです。
AKB48ブームの後、朝露の後のタケノコのように沢山出現した女性アイドルグループなどは、基本的には男性ファンが支えているイメージがあります。
このように、基本的にはファンの構成比というのは、男女そんなに変わらないのですが、男性ファンを集めるのに特化したアイドルや、または女性ファン向けに特化した仕掛けを行ったグループなど、あえて片方にのみアプローチを行うことで、片方のファンをより多く集めることに成功しているところもある、ということです。
さて、我らがスピッツの場合。
スピッツはアイドルというわけでもありませんし、女性向けのアプローチがそれほど多いとも思わないのです。福山雅治さんや星野源さんのように、テレビで活躍しているわけでもありません。普通の恰好をした三人と、パンクロック調の恰好をした一見場違いの方一人の、計四人の構成です。
でも、なぜか女性ファンが多いんです。
じゃあそのパンクロック調の恰好の人がすごい女性ファンをメロメロにしているのか、といえばそうでもなく、むしろ普通の恰好をしたボーカルが一番人気というものですから、ハタからみているともうワケがわからない存在です。
正直、「これがスピッツが女性に人気の秘訣だ!」っていう、確たる理論を提示できるわけではありません。
ファン歴だけは長い私でも、いまだに謎に思っている部分なんです。
でも、恰好ではなく、演出によるアプローチでもなく、テレビ効果でもないとすると、残されたものは曲の中身しかありません。
誰にも真似できない草野マサムネの詩。それをさわやかな風のように歌い上げる声質。そんな彼を最大限に活かすためだけに作り上げられた、メンバーのサウンド。ひとつひとつの動作はすごく繊細なのですが、それが一つになったときに、強力な突貫力が生まれるのです。そしてそれは、特に女性の心によく刺さるのでしょう。
とまあ、わかるような、わからないようなことを言ったりもしましたが、とにかく、曲の力だけで、これだけの多くの女性の支持を集めているというのは、とてもすごいと思うのと同時に、人間の感性の不思議さ、豊かさを、スピッツを通じて感じてしまいます。

今度のスピッツの新曲が、北海道が舞台の朝ドラの主題歌に選ばれた、ということで、福井の、北海道的な風景でも。
新アルバムとツアー、楽しみですね。
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